インド日記 バラナシ初日
2月9日
起きたら、列車の中だった。ああ、当たり前か。時間は朝6時。下段ベットのインド人爺が起きたから僕もつられて起きた。
インド人は馬鹿なのかわからないが、くそ寒い列車で窓を開けているやつがいた。
僕は薄いブランケット1枚しか持っていなかったので、寒さのあまり何度か夜中に目覚めた。
インド人ファットマンのいびきもうるさくて、それで2回ほど起きた。ほかのインド人も五月蠅いらしく、車掌に注意させてた。あの、インド人がだ。
朝6時に起きた。と、いうか起こされた。起きざを得ない状況だった。僕は、窓際に座り外を眺めた。たぶん僕の席は、通路側だ。そんな事は誰も気にしない。
車窓は暗い。見ていてもつまらないが、僕はなんとなく見ていた。ほかにする事もなかったから。どっかの窓が開いている車内は、風が吹き寒かった。
僕は、ブランケットに包まって車窓をなんとなく眺めていたら、いつの間にか眠っていた。
起きると、車窓は田畑が広がる平地だった。線路脇には1メートルほどの円周の小山が無限にあった。よくわからないが、お墓かなって思った。たぶん違うかもしれないが。
朝の、車窓からはインド人のウンコタイムが良く似合う。車窓からは、ケツ丸出しの無数のインド人。木の歯ブラシで歯を磨くインド人。河で体を洗うインド人。
決まって、インド人は列車に向かってケツを向けていた。たぶん、インド人の羞恥心はウンコ中の顔を見られるより、ケツを見られたほうが良いって事なんじゃないかなって妄想してみた。
やはりインドの列車は遅れる。これがインドだろう。時々、日本が異常な国のように思えた。たぶん、脳がスパイシーになってたからだろ?
駅にバラナシって書いてあった。どうやら、終点らしい。ファットマンのインド人も降車する。あなたのお陰で僕は寝不足。
僕は、ツーリストの波に流されバラナシに降り立った。ヒンドゥー教の聖地。ガンジス河の流れる場所。ヒンドゥー教徒が、神聖視する聖地バラナシ。
僕の、今回の旅のメイン。僕は、聖地バラナシでガンガー(ガンジス河の事。インド人はガンガーって言う。僕も、それに習ってガンガーと言うようになった。)で、ブルーハーツを聞いてみたかった。
聖なる河、ガンガー。僕は、聖なる河ガンガーが流れているところってことで、気が緩んでいたらしい。寝不足だって自分に言い訳をしながら。
早速、偽ガイドか何か分からないが、僕に話しかけるインド人。「日本人ですか」「ああ、そうだよ」「泊まるとことか決まってるの?」
あー、面倒だ。この手の奴の言いなりに、若しくは紹介でホテルなどを決めることを、僕は拒否しようって決めていた。
僕の旅じゃなくなって、こいつらの金儲けの道具にしかならないような気がしたから。くそ。ぼられるってのも、もちろんあるし一番の理由は面倒だからだ。
この時の僕は、違っていた。なぜか従順にオートリクシャーまで付いて行ってしまった。シートに座ってから気がついた。
「ああ、僕は聖地だからって気が緩んでいた」
僕は、彼の言葉を遮って自分の意思で歩き出した。追って来る彼。日本人の書いたであろう手紙を僕に見せる彼。
紙には、「彼はいい奴だから信用したほうが良いよ。」「彼は、インドで一番のジェントルマン。」
くだらない内容が羅列していた。くそ
そんなもん、お前らの主観で見たらやろ。あほか。俺の、直感じゃお前は違うねん。って言ってやりたかったが、僕の英語じゃね。くそ。
歩いていると、僕のレンタルした携帯がなる。レンタルきえたい。初めての事に動揺しながら通話ボタンを押す僕。
オカンからだった。一応、僕の安否の確認だったようだ。これは良い。これは、嬉しい事だ。しかし、こっからが不味い。
その日の、僕の実家では法事を行っていた。つまり、親族一同が集まっているって事だ。くそ
僕は、僕が支払うことになる、くそ高い海外通話料を惜しみなく払い、数人の親族と親父との不毛な会話を繰り広げた。
横に偽ガイドを待たせて、聖地バナラシの駅前でだ。なんだかよく分からな状態にくそ。
偽ガイドは、しつこく僕に話しかける。「何を警戒してるんだ。こんなにお前と同じ国の人間から推薦状を書いてもらってる僕を、なぜ疑うんだ?」みたいな事をたぶん言っていた気がする。
あほか。
なんか、面倒になって来たので取り合えずホテルだけ見に行くことにした。地球の歩き方に書いてあるホテルに。
一応、僕の候補だったホテル。目的のメインガート(ガートとは、階段状になって河水に没している堤の事と、ガイドブックに書いてあった)からは、相当上流に位置する。
リクシャーの中でも、日本人からの手紙を見せられる。適当に流し読みして内容も見ず彼に返した。あーめんどくせー。余計にあやしいっちゅーねん
僕の、指定したホテルに一応着いた。その、ホテルの部屋はガンガーを一望できるが500ルピー。ルピーってゼルダの伝説のお金の単位と一緒だよね。あれも、相当安いって事だね
一泊500ルピーも払えるわけ無く、もっと安い部屋を要求したが満室との事。くそ
ホテルを出ると、彼が待っていた。な、高いだろこのホテル。隣にもっと安い部屋があるから見るだけ見てみろよって。
彼と行ったホテルは、1泊150ルピー。予算内。ヤモリが居たが。交渉も面倒になったので、しばらくの拠点としてこのホテルに決めた。結果的に、彼の言いなりになっている事で、何かに負けた気がしたが。
後で考えると、コストパフォーマンスは良かった。
僕は、荷物をほどき窓を明けた。今日の空は曇っていた。晴れているのに曇っている。インドの空は、東京のそれより汚い。
砂埃と排気ガスと何か変な物質が飛んでいる空は、晴れた日でもうす雲。乾季だからか雲はほとんど見当たらない。霧のロンドン。
僕は、ロンドンに行った事は無いが、この空はイギリスと似ているんじゃないかって。だから、植民地・・・・あー嘘うそ。もうねー、うんこちゃん
屋上に行ってみた。ガンガーが一望できた。僕はスケジュールを考えながらガンガーを眺めた。風が強い屋上。
従業員の青年がやってきた。彼は、屋上から街を眺めていた。僕は、ここがどこか分からなかったから、彼に近くに見えるガートの名前を聞いた。
「ハリスチャンドラガート。火葬場」だと彼は言葉少なく答えた。僕の、ガイドブックを指差しながら。
ペプシを持って。ガートに行ってみた。ホテルにたむろしている青年が着いてきた。たぶんガイド。僕は、お金を払う気がまったく無かったので、ガートにすぐに腰を下ろした。
彼も、隣に座った。彼は、勝手にいろいろしゃべった。ほかのインド人と同じように勝手にしゃべり続けた。ガンガーは18時30分がもっとも盛り上がるとか、なんとか。
途中で、欧米人ツーリストにちょっかいを出しながら。
南下したせいだろう。日差しが温かかった。日本でたとえるなら、4月下旬の気候といったところか。花粉が飛んでいないのと、牛が居るのを除いて日本の春を連想させる気候。
おかげで僕は、彼の話しを聞きながら居眠りをしていた。彼に促されて、ホテルのベッドで眠る事にした。
あのブーチャンインド人の鼾と、くそ寒い列車内でほとんど寝てない僕は、ベッドに横になった。
気がついたら、夕方だった。うん、寝すぎだ。
お腹がすいたのと喉の渇きを潤す為、チャイ屋を探した。手動の小さな移動式の観覧車に群がる少年少女。たぶん60人ぐらい居た。
その横に顔の怖いチャイ屋の主人が居た。手招きされるままに僕は、汚いベンチに腰かけチャイとジャガイモの揚げたやつを食べた。
顔は怖いが、チャイは旨かった。僕は、チャイを2杯お替りして、揚げたやつも2個食べた。
隣のチャパティーのヨーグルト付けみたいなやつも食べた。この、少年店主にやたら写真を撮らされた。
地理を把握するために、ゴードウリヤーってメインストリートまで歩く事にした。
気づけば時間は6時30分。少年が言ってた時間だ。僕は、足早にガンガーに向かった。
客引きだろう(後で完全なる嘘つきだって事が分かった客引き)日本語が割りと堪能な青年。確か、17歳。
「店は後で見に来れば良いから、僕はガイドじゃ無くてお土産屋だからガイド料は要らない。お店だけ見てくれれば良いから、ガイドさせてくれ」って。
まあ、良いかなって思った。店には行こう。彼が言うには、「僕のお兄さんは日本の映画に出た事がある。後で写真と漫画も見せてあげるって。」
僕はちょっと気になった。
彼に案内されるまま、付いていった。
船に乗ることにした。僕は、実家からの電話で今日が法事の日だって聞いたから、灯篭を2個買って船に乗った。
船から見る夕方のお祈りには、多くのツーリストが蟻んこみたいに集っていた。なぜか分からないが、やれやれって思った。
彼に言われるがまま、僕は蝋燭に火を付けて灯篭を船からガンガーの水面に流し、お祈りをした。祖母と叔母の事を思いながら。
ヒンドゥー教の聖地だから、祖母と叔母になんでやねんって突っ込まれてるかも知れないが、お祈りもした。
船は、ガンガーに2箇所ある内の、大きいほうの火葬場に向かった。火葬場からは煙が5本昇っていた。
写真撮るかって聞かれたが、僕は断った。なんか、人の死を見世物にしているみたいで嫌だった。
僕は、煙を見ていたらなぜか涙が出てきた。いかん、いかんぜよ。なんか、いかんぜよ。また、感傷的になってる。くそ
今日が、法事の日とか、灯篭を流した事でやたら感傷的になってる僕。くそ
僕は、彼に「もう行こう」といった。ガンガーの水面には、蝋燭の炎が点々と見えた。
僕は、彼の店に行った。店には、日本人2人が座っていた女性と大学3年生のイシダ君。この店は日本人のたまり場になっていた。
僕は、店主が映画に出演したときの写真と原作の漫画を見ながらイシダ君と喋った。深夜特急という大沢たかお主演の映画に出演したっていう店主。
僕とイシダ君は気が合うような気がした。しばらく話して、店主お勧めのレストランに夕飯を食べるためイシダ君と向かった。
イシダ君は2人でインドに来ていて、友達が風邪で寝込んでいるって言ってた。僕はイシダ君の友達の姿は見る事が無かった。お大事にー
僕とイシダ君が入ったレストランには、日本人が7人座っていた。僕とイシダ君も同じテーブルの端っこに座った。
うん。不味い。これ、面倒。うん、やれやれ。彼らは、フレンドゲストハウスのドミトリーで偶然一緒になったか、先出のみやげ物屋で知り合った、一人旅の集まりだそうだ。
やれやれ、僕は初対面の何とか君から勧められたタンドリーチキンと、高めのターリーを食べた。量の多さと辛さにうんざりしながら食べた。
僕の隣の大学4年生は、インド人のそれよりお喋りだった。
「明日の朝、ガンガーの日の出を見る為、みんなで船に乗るんだけれど来ないか?」って誘われた。僕と、イシダ君は取り合えずOKした。
イシダ君は、明朝チェックアウトだったから、一寸めんどくさそうにOKって言ってた。
食後に土産物屋に戻り、旨いチャイ屋に店主に案内してもらった日本人ご一行様。くそ
そのチャイ屋は確かに旨かった。濃いチャイ。確かに旨い。チャイを飲んでいたら停電になった。インドでは、よくある。日常的にある。
インド人が言うには、みんな電気料金を払ってないから、電力会社が止めてるって言ってた。嘘つきインド人が言う事だから、2ちゃんねるより信憑性が低い情報だが。
僕と、よく喋る大学生とで星を眺めてたら、流れ星が見えた。僕たちは「流れ星だ」って叫んだ。ほかの日本人は嘘だと、取り合いもしない。
僕と、よく喋る大学生は確かに流れ星を見た。たぶん。
夜も遅くなったから、帰る事にした。その前に、その集団の中の女の子が今日がインドラストナイトだってんで。お土産やで軽く打ち上げをするってんで付いていった。ちょっとかわいい子だった。
僕たちは、くだらない会話をした。年齢当てっことかした。僕は、ことごとく命中した。インドに来て直感が鋭くなった気がする。うんこ
彼女が帽子を被った時、僕の脳内のシナプスが繋がった。エンドルフィンが生成された。
僕たちは、成田で逢った事がある。いや、正しくは僕が、成田で見かけた。同じ飛行機でニューデリーで入国した。
僕は、僕の記憶が正しい事を証明するために飛行機の時間や、便番号を言い合った。間違いは無かった。
また、シンクロニシィティーか?
時間は22時。危なくなるから、そろそろホテルに帰ったほうが良いって、店主が言った。
僕たちは、帰った。イシダ君とよく喋る大学生はホテルの方向が一緒だったから、歩いて帰った。
彼らは、就職の話で盛り上がっていた。僕は、適当に相槌を打ちながら歩いた。
ホテルに帰り、腕立て伏せと腹筋をしてシャワーを浴びた。このホテルは熱湯が出る。くそ。火傷するとこだったぜ。くそ
僕は、この街が気に入った。日程の半分近くをこの街で過ごすと、この時点で決めた。
体調も戻ってきた。インドが楽しくなってきた。ビバインド。
この日の夜は、変な夢を見た。なんの夢か忘れたが夢を見た。たぶん日本の女の子の夢だ。
起きたら、列車の中だった。ああ、当たり前か。時間は朝6時。下段ベットのインド人爺が起きたから僕もつられて起きた。
インド人は馬鹿なのかわからないが、くそ寒い列車で窓を開けているやつがいた。
僕は薄いブランケット1枚しか持っていなかったので、寒さのあまり何度か夜中に目覚めた。
インド人ファットマンのいびきもうるさくて、それで2回ほど起きた。ほかのインド人も五月蠅いらしく、車掌に注意させてた。あの、インド人がだ。
朝6時に起きた。と、いうか起こされた。起きざを得ない状況だった。僕は、窓際に座り外を眺めた。たぶん僕の席は、通路側だ。そんな事は誰も気にしない。
車窓は暗い。見ていてもつまらないが、僕はなんとなく見ていた。ほかにする事もなかったから。どっかの窓が開いている車内は、風が吹き寒かった。
僕は、ブランケットに包まって車窓をなんとなく眺めていたら、いつの間にか眠っていた。
起きると、車窓は田畑が広がる平地だった。線路脇には1メートルほどの円周の小山が無限にあった。よくわからないが、お墓かなって思った。たぶん違うかもしれないが。
朝の、車窓からはインド人のウンコタイムが良く似合う。車窓からは、ケツ丸出しの無数のインド人。木の歯ブラシで歯を磨くインド人。河で体を洗うインド人。
決まって、インド人は列車に向かってケツを向けていた。たぶん、インド人の羞恥心はウンコ中の顔を見られるより、ケツを見られたほうが良いって事なんじゃないかなって妄想してみた。
やはりインドの列車は遅れる。これがインドだろう。時々、日本が異常な国のように思えた。たぶん、脳がスパイシーになってたからだろ?
駅にバラナシって書いてあった。どうやら、終点らしい。ファットマンのインド人も降車する。あなたのお陰で僕は寝不足。
僕は、ツーリストの波に流されバラナシに降り立った。ヒンドゥー教の聖地。ガンジス河の流れる場所。ヒンドゥー教徒が、神聖視する聖地バラナシ。
僕の、今回の旅のメイン。僕は、聖地バラナシでガンガー(ガンジス河の事。インド人はガンガーって言う。僕も、それに習ってガンガーと言うようになった。)で、ブルーハーツを聞いてみたかった。
聖なる河、ガンガー。僕は、聖なる河ガンガーが流れているところってことで、気が緩んでいたらしい。寝不足だって自分に言い訳をしながら。
早速、偽ガイドか何か分からないが、僕に話しかけるインド人。「日本人ですか」「ああ、そうだよ」「泊まるとことか決まってるの?」
あー、面倒だ。この手の奴の言いなりに、若しくは紹介でホテルなどを決めることを、僕は拒否しようって決めていた。
僕の旅じゃなくなって、こいつらの金儲けの道具にしかならないような気がしたから。くそ。ぼられるってのも、もちろんあるし一番の理由は面倒だからだ。
この時の僕は、違っていた。なぜか従順にオートリクシャーまで付いて行ってしまった。シートに座ってから気がついた。
「ああ、僕は聖地だからって気が緩んでいた」
僕は、彼の言葉を遮って自分の意思で歩き出した。追って来る彼。日本人の書いたであろう手紙を僕に見せる彼。
紙には、「彼はいい奴だから信用したほうが良いよ。」「彼は、インドで一番のジェントルマン。」
くだらない内容が羅列していた。くそ
そんなもん、お前らの主観で見たらやろ。あほか。俺の、直感じゃお前は違うねん。って言ってやりたかったが、僕の英語じゃね。くそ。
歩いていると、僕のレンタルした携帯がなる。レンタルきえたい。初めての事に動揺しながら通話ボタンを押す僕。
オカンからだった。一応、僕の安否の確認だったようだ。これは良い。これは、嬉しい事だ。しかし、こっからが不味い。
その日の、僕の実家では法事を行っていた。つまり、親族一同が集まっているって事だ。くそ
僕は、僕が支払うことになる、くそ高い海外通話料を惜しみなく払い、数人の親族と親父との不毛な会話を繰り広げた。
横に偽ガイドを待たせて、聖地バナラシの駅前でだ。なんだかよく分からな状態にくそ。
偽ガイドは、しつこく僕に話しかける。「何を警戒してるんだ。こんなにお前と同じ国の人間から推薦状を書いてもらってる僕を、なぜ疑うんだ?」みたいな事をたぶん言っていた気がする。
あほか。
なんか、面倒になって来たので取り合えずホテルだけ見に行くことにした。地球の歩き方に書いてあるホテルに。
一応、僕の候補だったホテル。目的のメインガート(ガートとは、階段状になって河水に没している堤の事と、ガイドブックに書いてあった)からは、相当上流に位置する。
リクシャーの中でも、日本人からの手紙を見せられる。適当に流し読みして内容も見ず彼に返した。あーめんどくせー。余計にあやしいっちゅーねん
僕の、指定したホテルに一応着いた。その、ホテルの部屋はガンガーを一望できるが500ルピー。ルピーってゼルダの伝説のお金の単位と一緒だよね。あれも、相当安いって事だね
一泊500ルピーも払えるわけ無く、もっと安い部屋を要求したが満室との事。くそ
ホテルを出ると、彼が待っていた。な、高いだろこのホテル。隣にもっと安い部屋があるから見るだけ見てみろよって。
彼と行ったホテルは、1泊150ルピー。予算内。ヤモリが居たが。交渉も面倒になったので、しばらくの拠点としてこのホテルに決めた。結果的に、彼の言いなりになっている事で、何かに負けた気がしたが。
後で考えると、コストパフォーマンスは良かった。
僕は、荷物をほどき窓を明けた。今日の空は曇っていた。晴れているのに曇っている。インドの空は、東京のそれより汚い。
砂埃と排気ガスと何か変な物質が飛んでいる空は、晴れた日でもうす雲。乾季だからか雲はほとんど見当たらない。霧のロンドン。
僕は、ロンドンに行った事は無いが、この空はイギリスと似ているんじゃないかって。だから、植民地・・・・あー嘘うそ。もうねー、うんこちゃん
屋上に行ってみた。ガンガーが一望できた。僕はスケジュールを考えながらガンガーを眺めた。風が強い屋上。
従業員の青年がやってきた。彼は、屋上から街を眺めていた。僕は、ここがどこか分からなかったから、彼に近くに見えるガートの名前を聞いた。
「ハリスチャンドラガート。火葬場」だと彼は言葉少なく答えた。僕の、ガイドブックを指差しながら。
ペプシを持って。ガートに行ってみた。ホテルにたむろしている青年が着いてきた。たぶんガイド。僕は、お金を払う気がまったく無かったので、ガートにすぐに腰を下ろした。
彼も、隣に座った。彼は、勝手にいろいろしゃべった。ほかのインド人と同じように勝手にしゃべり続けた。ガンガーは18時30分がもっとも盛り上がるとか、なんとか。
途中で、欧米人ツーリストにちょっかいを出しながら。
南下したせいだろう。日差しが温かかった。日本でたとえるなら、4月下旬の気候といったところか。花粉が飛んでいないのと、牛が居るのを除いて日本の春を連想させる気候。
おかげで僕は、彼の話しを聞きながら居眠りをしていた。彼に促されて、ホテルのベッドで眠る事にした。
あのブーチャンインド人の鼾と、くそ寒い列車内でほとんど寝てない僕は、ベッドに横になった。
気がついたら、夕方だった。うん、寝すぎだ。
お腹がすいたのと喉の渇きを潤す為、チャイ屋を探した。手動の小さな移動式の観覧車に群がる少年少女。たぶん60人ぐらい居た。
その横に顔の怖いチャイ屋の主人が居た。手招きされるままに僕は、汚いベンチに腰かけチャイとジャガイモの揚げたやつを食べた。
顔は怖いが、チャイは旨かった。僕は、チャイを2杯お替りして、揚げたやつも2個食べた。
隣のチャパティーのヨーグルト付けみたいなやつも食べた。この、少年店主にやたら写真を撮らされた。
地理を把握するために、ゴードウリヤーってメインストリートまで歩く事にした。
気づけば時間は6時30分。少年が言ってた時間だ。僕は、足早にガンガーに向かった。
客引きだろう(後で完全なる嘘つきだって事が分かった客引き)日本語が割りと堪能な青年。確か、17歳。
「店は後で見に来れば良いから、僕はガイドじゃ無くてお土産屋だからガイド料は要らない。お店だけ見てくれれば良いから、ガイドさせてくれ」って。
まあ、良いかなって思った。店には行こう。彼が言うには、「僕のお兄さんは日本の映画に出た事がある。後で写真と漫画も見せてあげるって。」
僕はちょっと気になった。
彼に案内されるまま、付いていった。
船に乗ることにした。僕は、実家からの電話で今日が法事の日だって聞いたから、灯篭を2個買って船に乗った。
船から見る夕方のお祈りには、多くのツーリストが蟻んこみたいに集っていた。なぜか分からないが、やれやれって思った。
彼に言われるがまま、僕は蝋燭に火を付けて灯篭を船からガンガーの水面に流し、お祈りをした。祖母と叔母の事を思いながら。
ヒンドゥー教の聖地だから、祖母と叔母になんでやねんって突っ込まれてるかも知れないが、お祈りもした。
船は、ガンガーに2箇所ある内の、大きいほうの火葬場に向かった。火葬場からは煙が5本昇っていた。
写真撮るかって聞かれたが、僕は断った。なんか、人の死を見世物にしているみたいで嫌だった。
僕は、煙を見ていたらなぜか涙が出てきた。いかん、いかんぜよ。なんか、いかんぜよ。また、感傷的になってる。くそ
今日が、法事の日とか、灯篭を流した事でやたら感傷的になってる僕。くそ
僕は、彼に「もう行こう」といった。ガンガーの水面には、蝋燭の炎が点々と見えた。
僕は、彼の店に行った。店には、日本人2人が座っていた女性と大学3年生のイシダ君。この店は日本人のたまり場になっていた。
僕は、店主が映画に出演したときの写真と原作の漫画を見ながらイシダ君と喋った。深夜特急という大沢たかお主演の映画に出演したっていう店主。
僕とイシダ君は気が合うような気がした。しばらく話して、店主お勧めのレストランに夕飯を食べるためイシダ君と向かった。
イシダ君は2人でインドに来ていて、友達が風邪で寝込んでいるって言ってた。僕はイシダ君の友達の姿は見る事が無かった。お大事にー
僕とイシダ君が入ったレストランには、日本人が7人座っていた。僕とイシダ君も同じテーブルの端っこに座った。
うん。不味い。これ、面倒。うん、やれやれ。彼らは、フレンドゲストハウスのドミトリーで偶然一緒になったか、先出のみやげ物屋で知り合った、一人旅の集まりだそうだ。
やれやれ、僕は初対面の何とか君から勧められたタンドリーチキンと、高めのターリーを食べた。量の多さと辛さにうんざりしながら食べた。
僕の隣の大学4年生は、インド人のそれよりお喋りだった。
「明日の朝、ガンガーの日の出を見る為、みんなで船に乗るんだけれど来ないか?」って誘われた。僕と、イシダ君は取り合えずOKした。
イシダ君は、明朝チェックアウトだったから、一寸めんどくさそうにOKって言ってた。
食後に土産物屋に戻り、旨いチャイ屋に店主に案内してもらった日本人ご一行様。くそ
そのチャイ屋は確かに旨かった。濃いチャイ。確かに旨い。チャイを飲んでいたら停電になった。インドでは、よくある。日常的にある。
インド人が言うには、みんな電気料金を払ってないから、電力会社が止めてるって言ってた。嘘つきインド人が言う事だから、2ちゃんねるより信憑性が低い情報だが。
僕と、よく喋る大学生とで星を眺めてたら、流れ星が見えた。僕たちは「流れ星だ」って叫んだ。ほかの日本人は嘘だと、取り合いもしない。
僕と、よく喋る大学生は確かに流れ星を見た。たぶん。
夜も遅くなったから、帰る事にした。その前に、その集団の中の女の子が今日がインドラストナイトだってんで。お土産やで軽く打ち上げをするってんで付いていった。ちょっとかわいい子だった。
僕たちは、くだらない会話をした。年齢当てっことかした。僕は、ことごとく命中した。インドに来て直感が鋭くなった気がする。うんこ
彼女が帽子を被った時、僕の脳内のシナプスが繋がった。エンドルフィンが生成された。
僕たちは、成田で逢った事がある。いや、正しくは僕が、成田で見かけた。同じ飛行機でニューデリーで入国した。
僕は、僕の記憶が正しい事を証明するために飛行機の時間や、便番号を言い合った。間違いは無かった。
また、シンクロニシィティーか?
時間は22時。危なくなるから、そろそろホテルに帰ったほうが良いって、店主が言った。
僕たちは、帰った。イシダ君とよく喋る大学生はホテルの方向が一緒だったから、歩いて帰った。
彼らは、就職の話で盛り上がっていた。僕は、適当に相槌を打ちながら歩いた。
ホテルに帰り、腕立て伏せと腹筋をしてシャワーを浴びた。このホテルは熱湯が出る。くそ。火傷するとこだったぜ。くそ
僕は、この街が気に入った。日程の半分近くをこの街で過ごすと、この時点で決めた。
体調も戻ってきた。インドが楽しくなってきた。ビバインド。
この日の夜は、変な夢を見た。なんの夢か忘れたが夢を見た。たぶん日本の女の子の夢だ。
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